こんにちは、みなさんお元気ですか?
さて、ここ茨城県筑西市とは関係ありませんが・・・
『「DOUBLE FANTASY -John & Yoko」 1Two Virgins』からの続きです。
ソニーミュージック六本木ミュージアムで開催中の「DOUBLE FANTASY – John & Yoko」は、元ビートルズのジョン・レノン生誕80周年にあわせて、ジョンとオノ・ヨーコ夫妻の軌跡を、彼ら自身の言葉や作品でたどる展覧会。ジョンの故郷であるイギリス・リバプール博物館で行われたものを、東京に場所を移して開催しています。
1968年5月、ともに暮らし始めたジョンとヨーコは、平和のための活動を開始。6月、2人は初めての共同のパブリック・アート・イベントとして、コヴェントリー大聖堂の敷地に2つのどんぐりを植える「平和のどんぐり(Acorn Peace)」を行いました↓
また翌69年4月には、各国の首脳に平和を願うどんぐりを植えることを呼びかけています。
【ヨーコ】「芸術家の仕事は物事の価値を破壊することではなく、変えることです。そうすることで芸術家はこの世界を、すべての人が完全に自由な理想郷へと変えることができるのです」
68年7月、ジョン初の個展「ユー・アー・ヒア(you are here)」開催↓
1969年3月、ジョンとヨーコはジブラルタルで挙式。下写真は結婚式当日に着た2人の衣装と結婚証明書、そして結婚の記録を収めた作品「ウエディング・アルバム」↓
更に2人は、新婚旅行で訪れたアムステルダムとモントリオールで「ベッド・イン(Bed In)」という平和を訴えるパフォーマンスを行います。
【ジョン】「僕たちはそれまでやってきたことを継続したかったんだ。僕は愛、愛、愛、彼女は平和、平和、平和。それを合体させたのがベッド・インだった」
モントリオールではベッド上で「平和を我等に(Give Peace a Chance)」をレコーディングし、7月、プラスティック・オノ・バンド(Plastic Ono Band)名義でリリース(米14位、英2位)しています。
ベッド・インの様子と「平和を我等に」でジョンが使用したギブソンJ-160E↓
「平和を我等に」ジョン自筆の歌詞↓
2人は音楽活動も積極的に行い、9月にトロントで行われたロックン・ロール・リバイバル・コンサートや、12月にライシアム・ボールルームで行われた「ピース・フォー・クリスマス(PEACE FOR CHRISTMAS)」コンサートなどに、プラスティック・オノ・バンドとして出演。ジョンとヨーコ以外のメンバーは流動的で、エリック・クラプトンやキース・ムーンなども参加していました↓
10月、プラスティック・オノ・バンドは、エリック・クラプトンやリンゴ・スターも参加したシングル「コールド・ターキー(Cold Turkey)」をリリース(B面はヨーコ作「京子ちゃん心配しないで(Don't Worry Kyoko)」。コールド・ターキーとは麻薬の禁断症状のこと。当初ジョンは、この曲をビートルズとしてリリースしたいと考えていたそうですが、結局かないませんでした。レノン・マッカートニーではなく、ジョン・レノンのクレジットで発表された初めての曲です(英14位、米30位)。
【ジョン】「ビートルズだけでは、表現のはけ口が足りない。オノ・バンドは僕にとっての逃がし弁だ。それがビートルズに比べて自分にとってどれだけ重要な存在になるかは、成り行きを見守るしかない」
1970年2月、プラスティック・オノ・バンドは、ジョージ・ハリソンも参加した「インスタント・カーマ(Instant Karma!)」をリリース(B面はヨーコ作「誰が風を見た」)。同曲はビートルズのレット・イット・ビーとほぼ同時期にチャートを上昇(米3位、英5位)しています。
こちらは「インスタント・カーマ」ジョン自筆の歌詞↓
同年4月、ポール・マッカートニーが脱退を発表し、ビートルズが事実上解散。ジョンとヨーコはアメリカで、アーサー・ヤノフ博士が提唱した精神療法である原初療法(プライマル・セラピー Primal Therapy)を受けます。
原初療法とは、長い間抑制されていた過去の心の痛み・トラウマをさかのぼって感じ、泣く、叫ぶなど表現することで心の安定を取り戻すという精神療法です。
12月ジョンは、原初療法の影響を受けたアルバム「ジョンの魂 (John Lennon/Plastic Ono Band)」を、ビートルズ解散後初のソロ・アルバムとして発表(米6位、英8位)。この時同時に、アルバムジャケットのアートワークを統一したヨーコのアルバム「ヨーコの心(Yoko Ono/ Plastic Ono Band)」もリリースしています↓
「ジョンの魂」、ここまで個人的な痛みを包み隠さず歌ったアルバムは、史上初だったと思われます。このアルバム、少しでも自分の気持ちが落ち込んでいる時には、怖くて聞くことが出来ません。更に落ち込むのは必至だからです。
シングルとしてリリースされた「マザー」(米43位)のジョン自筆歌詞↓
「コールド・ターキー」の叫びは意図的に禁断症状を再現したものなので、その裏には冷静に曲をプロデュースするジョンの姿が浮かびますが、この曲のエンディングの 叫び「Mama don't go、Daddy come home」は治療の延長、狂気すら感じます。
というわけで、長くなり過ぎたので今回はここまで。次回『「DOUBLE FANTASY -John & Yoko」3」に続きます。
■DOUBLE FANTASY – John & Yoko(ダブル・ファンタジー ジョン・アンド・ヨーコ)
会期 令和2年10月9日(金) ~ 令和3年年1月11日(月祝) 予定
場所 東京都港区六本木5-6-20 ソニーミュージック六本木ミュージアム
通常チケット料金(税込)
前売券 一般2,500円、大学専門学校生2,000円、中高校生1,000円
当日券 一般2,600円、大学専門学校生2,100円、中高校生1,100円
※小学生以下は無料、障がい者は各半額
※そのほか各種特典付チケットあり
主催 株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント、株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ
メディアパートナー 朝日新聞社
DOUBLE FANTASY – John & Yoko(ダブル・ファンタジー ジョン・アンド・ヨーコ)
ザ・ビートルズ THE BEATLES - UNIVERSAL MUSIC JAPAN