Hatena Blog版・筑西歳時記~ここは茨城、筑西(旧下館)市

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廣澤美術館「美しき漆芸の世界 人間国宝 大西勲漆芸展 -日本も伝統工芸展10年の歩み」

こんにちは、みなさんお元気ですか?

さて、ここ茨城県筑西市にある廣澤美術館で令和4年12月25日(日)まで開催されていた、「美しき漆芸の世界 人間国宝 大西勲展 -日本伝統工芸展10年の歩み」に行ってきたので、ご紹介します↓

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大西勲先生は、昭和19年(1944)福岡県生まれ。30歳で漆芸家の赤地友哉の弟子となり、平成14年(2002)に57歳にして「きゅう漆」の重要無形文化財保持者(いわゆる人間国宝)となりました。昭和55年からは、奥さんの故郷である茨城県下館市(現:筑西市)に住まいを移し、作品を作り続けています。

会場の廣澤美術館は、新国立競技場なども手掛けた建築家・隈研吾(くまけんご)さんの設計による施設です↓

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今回の展覧会は撮影禁止のため、会場内の写真はここまで。以下は、チラシに掲載されている作品をご紹介します。

まずは「曲輪造八角足付盛器」↓

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そして「曲輪造七ツ星」↓

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「曲物造石庭」↓

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「曲輪造盛器」↓

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「曲輪造盛器」↓

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図録があったので購入しました↓

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これは以前、筑波銀行本部ビル2階ギャラリーで行われた「漆芸・人間国宝 大西勲展」の時と同じ図録のようです(以下の写真は同図録より)。

なお、きゅう漆とは漆塗(うるしぬり)を主とする漆芸技法で、素地(そじ)の材料の選択に始まり、下地工程を経て、上塗・仕上げ工程に至る幅広い領域にわたり、漆芸の根幹をなす重要な技法の事。また大西先生の曲輪造は、木材の細い板を曲げて円形にし、これらの輪を組み合わせて成形するもので、乾燥などにより変形しやすいという木胎漆器の欠点を補う技法ですが、膨大な制作期間が必要とされます。

制作中の大西先生↓

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曲輪の木地↓

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大西先生の制作工程は主に3段階からなり、第1段階として「曲輪造」(約2か月)、次に「木地造」(約2か月)、最後に「塗り」(約4か月)に分かれるとの事。その全ての工程を1人でこなすことから、作品1点を完成させるのに実に8か月が必要とされるそうです。


というわけで、廣澤美術館の展覧会は既に終了しましたが、大西先生の作品はしもだて美術館の常設展でも観ることができます。ぜひ一度ご覧ください。

またこの日は、廣澤美術館の園内を散策してアート・カフェで昼食をいただきました。そちらも、機会があれば記事にさせていただきます。


■「美しき漆芸の世界 人間国宝 大西勲漆芸展 -日本伝統工芸展10年の歩み展」
期間 令和4年11月3日(木・祝)~12月25日(日) *月曜休館
時間 午前10時~午後4時30分(入館は4時まで)
料金 一般1,000円 大学・高校生700円、中学生500円、小学生以下無料
問合せ 0296-45-5601

■大西勲
漆芸家。 昭和19年福岡県中間市生まれ。20歳代で木内晴岳(きうちせいがく)から鎌倉彫を学び、昭和49年、人間国宝の赤地友哉(あかじゆうさい)に師事して「曲輪造(まげわづくり)」を主とする「きゅう漆(きゅうしつ)」の技法を習得。昭和55年、妻の故郷である茨城県筑西市に転居。平成12年「曲輪造黒溜盛器」で日本伝統工芸展日本工芸会総裁賞受賞、平成14年には人間国宝(重要無形文化財保持者)に。平成16年紫綬褒章受章、茨城県特別功労者、下館市民栄誉賞受賞。長年にわたり石川県立輪島漆芸技術研究所で指導にあたるなど技法の伝承にも尽力している。

※「きゅう漆」の「きゅう」は、「長」「彡」に「休」と書きますが、変換できなかったので「かな」で表記しました。

しもだて美術館
廣澤美術館 ザ・ヒロサワ・シティ

公益社団法人日本工芸会

隈研吾建築都市設計事務所

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