Hatena Blog版・筑西歳時記~ここは茨城、筑西(旧下館)市

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DOUBLE FANTASY -John & Yoko/3 Imagine~Happy Xmas(War is over)

こんにちは、みなさんお元気ですか?

さて、ここ茨城県筑西市とは関係ありませんが・・・
「DOUBLE FANTASY -John & Yoko/2Give Peace a Chance」からの続きです。

ソニーミュージック六本木ミュージアムで開催中の「DOUBLE FANTASY – John & Yoko」は、元ビートルズジョン・レノン生誕80周年にあわせて、ジョンとオノ・ヨーコ夫妻の軌跡を、彼ら自身の言葉や作品でたどる展覧会。ジョンの故郷であるイギリス・リバプール博物館で行われたものを、東京に場所を移して開催しています。


1971年3月、ジョンは、革命と女性の地位について歌ったシングル「パワー・トゥ・ザ・ピープル(Power to the People)をリリース(英6位・米11位)↓

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時代の空気もあったのかもしれませんが、この曲で「Say you want a revolution、We better get on right away」と歌ったジョン。これは、ビートルズ時代の「revolution」でみせた、革命に躊躇する、容認する、といった立場を通り越した革命讃歌です。
ちなみに、B面曲はヨーコによる「オープン・ユア・ボックス(Open your box)」。猥褻であるとの理由で放送禁止となったそうです。

9月、ジョンとヨーコはニューヨークに移住。そして10月に発表されたのが、米英で1位となったアルバム「イマジン(Imagine)」。シングルとなった表題曲「イマジン」も米2位(英では1975年にリリースされ最高6位、ジョンの死後の1981年に再登場1位)となっています。

こちらは、会場内のイマジンシアターで流れていたあの有名な「イマジン」のプロモーションビデオ↓

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確かに「イマジン」は良い曲ですが、人々はジョンの死後、この曲でピアノを弾き語る姿から、彼を「愛と平和を求める聖人」という枠に押し込めようとしています。
しかし、ジョンが「聖人」でないことは、アルバム「イマジン」収録の「ハウ・ドゥ・ユー・スリープ?(How Do You Sleep?)」を聴いただけでも明白でしょう。ジョンはこの曲で、かつての盟友ポール・マッカートニーを、辛辣な言葉で批判しているのです。
自分の曲を使ってこれほど見事な個人攻撃をする人が、聖人のはずがありません。こうした尖った一面があるからこそ、ジョン・レノンなのです。

こちらは、ジョンによる「イマジン」自筆歌詞のレプリカ↓

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さすがのジョンも、先の「パワー・トゥ・ザ・ピープル」はやり過ぎたと思ったのか、この「イマジン」にはストリングスを入れるなど「砂糖をまぶして口当たりの良いように【ジョン】」しています。ただし、それでも「no countries」「no religion too」「no possessions」といったあたりに、アナーキスト的(或いはユートピア的?)な発想が顔をのぞかせます。
この後ジョンはアメリカの急進左翼と接近し、ほどなく決別。以後、こういった曲や発言はほとんど見られなくなるにもかかわらず、この曲が彼の代表曲となり、「愛と平和の人」に祭り上げられてしまった事には、天国のジョン自身が苦笑いしていることでしょう。
なお前々回に記述したとおり、ジョンはこの曲のインスピレーションをヨーコの作品「グレープフルーツ」から得ており、2017年、ヨーコは同曲の共作者に認定されています。


12月、2人はアメリカで、「ハッピー・クリスマス(戦争は終った)Happy Xmas (War Is Over)」をシングルとしてリリース(イギリスでは翌72年リリース)します。

こちらは1969年、「WAR IS OVER!(戦争は終わる)」のポスターを掲げるジョンとヨーコ。サインは各国語に翻訳され、世界12都市に掲げられたそうです↓

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「イマジン」では「no religion too」と歌っていたのに、キリスト降誕を祝うクリスマスソングとはいかがなものか、とか、世界にはイスラム教徒やユダヤ教従、仏教徒もいるじゃないか、などというもっともな意見もありますが・・・
ここでジョンとヨーコは、「War is over, if you want it」というベトナム反戦メッセージをクリスマスと接合して、感動的な一曲を作りあげました。大好きな歌です。

さて、ニューヨークでの2人はやがて、前述した急進左翼のジェリー・ルービンやアビー・ホフマンといった反体制活動家と知り合い、政治的な活動に参加するようになります。
左上(カラー写真)が、ジョンとヨーコ、ジェリー・ルービン、アビー・ホフマン↓

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この時期の政治的な活動や発言により、その後ジョンとヨーコの運命に影が差すことになるのですが、まだ2人はそれに気づいていません。


というわけで、次回「DOUBLE FANTASY -John & Yoko/4The Lost Weekend」に続きます。


■DOUBLE FANTASY – John & Yoko(ダブル・ファンタジー ジョン・アンド・ヨーコ)
会期 令和2年10月9日(金) ~ 令和3年年1月11日(月祝) 予定
場所 東京都港区六本木5-6-20 ソニーミュージック六本木ミュージアム
通常チケット料金(税込)
前売券 一般2,500円、大学専門学校生2,000円、中高校生1,000円 
当日券 一般2,600円、大学専門学校生2,100円、中高校生1,100円
※小学生以下は無料、障がい者は半額
※そのほか各種特典付チケットあり
主催 株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント、株式会社ソニー・ミュージックレーベルズ
メディアパートナー 朝日新聞社

DOUBLE FANTASY – John & Yoko(ダブル・ファンタジー ジョン・アンド・ヨーコ)

株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント

ソニーミュージック六本木ミュージアム

ザ・ビートルズ THE BEATLES - UNIVERSAL MUSIC JAPAN