Hatena Blog版・筑西歳時記~ここは茨城、筑西(旧下館)市

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三浦春馬さん「日本製」と板谷波山先生

こんにちは。
令和2年7月18日、俳優の三浦春馬さんが亡くなりました(享年30)。人気俳優の突然の死に、驚かれた方も多かったのではないでしょうか。
三浦さんは4月、「プラスアクト」という月刊誌上の連載をまとめた書籍を発表したばかりでした。

それがこの本で、タイトルは「日本製」↓

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日本の文化・伝統・歴史・産業などを、未来へ向けて残し、伝えたいとの思いから、三浦さん自らが約4年間をかけて、47都道府県を巡り取材したものです。

47都道府県のうち茨城県は、三浦さんの出身地・土浦市で開催される土浦全国花火大会で何度も最高賞に輝いた花火製造会社・山﨑煙火製造所さんが、取材対象に選ばれました。

しかし、5月5日付オリコンニュースに掲載されたインタビューで三浦さんは、このようにも語っています↓

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ここで三浦さんは、「自分の地元の誇れるところ」として、土浦の花火大会と、筑西市が生んだ陶聖・板谷波山(いたやはざん)先生をあげているのです。
さらに昨年、水戸市などでロケが行われたドラマ「TWO WEEKS」の放送にあわせて、いばらきフィルムコミッションが行ったインタビューでは、こう語っています↓

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この記事を読むと、どうやら三浦さんは、板谷波山記念館に来館したことがあったようです。「すごく綺麗で、光を閉じ込めて見えるような、柔らかくて幻想的な焼き物」と表現していることから、おそらく何処かで、波山先生の葆光(ほこう)作品をご覧になったのでしょう。葆光とは「光を包み隠す」という意味で、波山先生自ら開発した半透明のつや消し釉薬「葆光釉」を用いた作品のことです。

三浦さんの繊細な心と、波山先生が造り出した美が共鳴したのかもしれません。

ちなみに三浦さんは平成24年、映画「永遠の0」のロケでも筑西市を訪れています(筑西市ローションサービス「チクロケ!」より)↓

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波山作品の理解者が今回のような形で亡くなってしまったのは、本当に残念です。あらためて、三浦春馬さんの御冥福をお祈りいたします。

 

三浦春馬(みうら・はるま)
平成2年生まれ、茨城県土浦市出身。平成9年にNHK朝の連続テレビ小説あぐり」でデビュー。映画「恋空」で、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。その後、ドラマ「ブラッディ・マンデイ」、「ごくせん」、NHK大河ドラマおんな城主 直虎」、映画「君に届け」、「永遠の0」、「進撃の巨人」など多くの話題作に出演した。

板谷波山記念館
開館時間:午前10時~午後6時
入場料:210円、団体160円、高校生以下無料(しもだて美術館との共通券あり)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
場所:茨城県筑西市甲866(下館駅から徒歩9分)TEL0296-25-3830

オリコンニュース
令和2年5月5日(インタビュー抜粋)
――『日本製』では、日本各地の知られざるすごい技術や人を紹介していますが、取材を通じて三浦さんの地元である茨城県土浦市への思いも変化したのではないでしょうか?
三浦春馬 『日本製』で取材しながら、「自分の地元の誇れるところはどこだろう?」ということは常に意識していました。幼い頃からずっと身近だった土浦の花火大会はもちろんですが、ほかにも、陶芸家の板谷波山(いたや・はざん)さんという、ヨーロッパのアール・ヌーヴォーを日本の文化に落とし込もうと取り組んだ第一人者も茨城出身だということを知りました。

■いばらきフィルムコミッション
令和元年7月12日(インタビュー抜粋)
Q.茨城県のご出身ということですが、特産品や場所など茨城県に思い出はありますか?
A.茨城には板谷波山という陶芸家がいました。
この方の焼き物は素晴らしいです!
すごく綺麗で、光を閉じ込めて見えるような、柔らかくて幻想的な焼き物を作る方です。
西洋のアールヌーボーの文化を初めて日本で取り入れ、焼き物を美術品のレベルまで押し上げたと言っても過言ではない素晴らしい方なのですが、彼の記念館が筑西市にあるんです。
大人になってから見に行った時に、茨城県ってもちろん食べ物も美味しいし、自然も豊かですけど、文化として日本が誇れる人物がいることをもっと多くの人に知って欲しいですね。

+act.(プラスアクト) ワニブックス
板谷波山記念館公式サイト

オリコンニュース「三浦春馬がしびれた日本の技、食、そして人」

いばらきフィルムコミッション「ドラマTWO WEEKSで主演の三浦春馬さんから特別にコメントをいただきました」